2008年4月1日(火)「しんぶん赤旗」
緑資源機構
大規模林道見直しを
紙議員、国の援助求める
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日本共産党の紙智子議員は三十一日の参院農林水産委員会で独立行政法人緑資源機構について質問し、同機構がすすめてきた大規模林道事業を見直すよう要求しました。
同機構は、一昨年発覚した官製談合の批判を受け、この三月で廃止されました。しかし、林野庁は着工済みの十五道県の大規模林道事業自体については、「地方公共団体の判断により実施できるよう」、新たな交付金制度をつくり存続をはかろうとしています。
紙氏は、大規模林道事業による自然破壊の実態について、北海道の「平取―えりも線」を例にあげ、緑資源機構や談合企業がすすめてきた地質・環境調査には疑問があると指摘しました。
同線の「平取―新冠区間」は、自然保護団体が地滑り地帯だと指摘して反対したにもかかわらず、二十七億円かけて林道を設置。これまで台風などで、区間の半分で大規模な崩落がおこり、災害復旧費で三億三千六百万円を費やしています。
紙氏は、十五道県のうち七道県で事業見直しの調査を行い、七県が継続することについて、「見直すにせよ継続にせよ、談合企業の調査でなく、改めて環境の再調査、再アセスメントが必要だが、国が責任をもって自治体に援助すべきだ」と要求。さらに、すでに途中まで事業がすすんでいる路線工事を中止する場合でも、経済的、環境的に最も負担のかからない「廃道」という選択肢も含めて、国が援助するよう求めました。
林野庁の井出道雄長官は「道県で事業継続を検討するにあたっては、環境調査を含め助成していく」と答弁しました。
紙氏は「自然破壊の尻ぬぐいを地元自治体だけに負わせるべきでない」と重ねて指摘しました。