2008年4月3日(木)「しんぶん赤旗」
保育園民営化され解雇
非常勤4人復職
東京・中野
民間委託に伴い解雇された東京都中野区立保育園の非常勤保育士四人が職場復帰を求めていた事件で、区と和解し、全員が四年ぶりに公務職場に復帰しました。解雇された自治体の非常勤職員の復職は極めて珍しく、雇い止めなどとたたかう非常勤職員を励ます内容です。
福家久美子さん(49)、斉藤章子さん(60)、岩下和江さん(58)、宍戸累美子さん(56)の四人で、東京公務公共一般労組の組合員。保育園や学校の任期付き短時間職員などに新規採用という形でそれぞれ復職しました。
中野区は〇四年、民間委託に伴い、非常勤保育士を解雇。このうち四人が、契約更新を繰り返して働いており、解雇は不当だとして裁判に訴えてたたかってきました。
一審、二審とも地位は認めなかったものの、契約更新の「期待権」を侵害したとして慰謝料支払いを命令。東京高裁判決は「解雇権乱用法理を類推適用する程度まで違法性が強い」と断じ、区は上告断念していました。
組合との和解協定で区は謝罪するとともに、労働条件の交渉にあたり、真摯(しんし)に臨むことを確認しています。
一日から保育園に復帰した福家さんは、「かわいい子どもたちの姿を見たら、長年の疲れなど吹っ飛んでしまいました。多くの方のご支援のおかげです。これを力にして、非常勤職員の不当な雇い止めなどさせず、労働条件の向上のために頑張りたい」と話しています。
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