2008年4月8日(火)「しんぶん赤旗」

わずかな年金から保険料天引き

後期高齢者医療制度

憲法の生存権奪う

参院予算委 小池議員が廃止要求


 「憲法二五条の生存権の侵害だ」―。日本共産党の小池晃議員は七日の参院予算委員会で、年金支給額は減額しているのに、保険料だけは強制的に年金から天引きする後期高齢者医療制度の問題点を告発し、天引き中止と同制度の廃止を強く迫りました。


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(写真)パネルを手に質問する小池晃議員=7日、参院予算委

 昨年から今年にかけて、パンやみそ、灯油などの生活必需品が軒なみ値上がりしています。それに加え、住民税などの税金や医療・介護などの社会保険料の連続値上げで、お年寄りの生活は深刻な打撃を受けています。

 小池氏は、こうした実態を詳しく示したうえで、四月に実施された後期高齢者医療制度で、月額一万五千円しか年金支給がないお年寄りまで、保険料の天引き対象にしていることを指摘。

 「高齢者世帯の六割が年金収入のみ。わずか月一万五千円まで天引きの対象にするのは、『健康で文化的な最低限度の生活』を保障している憲法二五条に違反する」と迫りました。

 舛添要一厚生労働相は「もし憲法二五条の定め(る水準)にいかないなら、生活保護という手もある」などと答弁。小池氏は、「最終的に、生活保護に落とし込む制度設計がそもそも憲法違反だ」と批判しました。

 また、「消えた年金」問題では、本人が届け出ない限り、記録の修正すらしない「申請主義」をとっておきながら、保険料の徴収は有無を言わさず強制的に天引きする問題を指摘。「こんなやり方に国民が納得すると思うか」と追及しました。

 舛添厚労相は「年金から天引きすることは、払う方にとっても利便性、効率性がある」などと答弁。小池氏が「取りたてる側の利便性だ。こういうのを『おためごかし』(注)というのだ」と批判すると、野党席からも共感の声が上がりました。

 小池氏は「財源を理由にして、高齢者の命をおろそかにするような国でいいはずがない」と述べ、軍事費や大企業・大資産家への減税を見直せば財源は生まれることを具体的に指摘。「年金天引きを中止し、後期高齢者医療制度は、ただちに廃止せよ」と重ねて求めました。


 おためごかし 表面は相手のためになるように見せかけて、実は自分の利益をはかること。


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