2008年4月9日(水)「しんぶん赤旗」
後期高齢者医療制度
保険料減は架空の試算
小池議員 厚労省宣伝に根拠なし
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厚生労働省がおこなっている、「後期高齢者医療制度は国民健康保険より保険料が軽減される」との宣伝に大きなごまかしがあることが八日、日本共産党の小池晃議員が参院厚労委員会で追及し明らかになりました。
厚労省は、基礎年金収入(月六万六千円)だけの単身者をモデルに、月二千八百円の国保料が新制度では月千円に下がるなどというキャンペーンを始めています。
小池氏はその根拠を追及。厚労省の水田邦雄保険局長は「二千八百円」には、一律にかかる「均等割・平等割」のほか、土地や家屋などの資産を持つ人だけにかかる「資産割」を含むと答弁しました。基礎年金だけの高齢者の多くが「資産」を持っているというのが厚労省の試算の前提だったのです。
小池氏が、厚労省試算のように月二千八百円も国保料を払わせている自治体はあるのか、とただすと、水田局長は「平均値だ」と繰り返すだけ。小池氏は「全国千四百の市区町村を緊急調査したが、そんな自治体は一つもなかった」と指摘し、厚労省の試算が「架空の数字」でしかないことを明らかにしました。
厚労省は「低所得者は負担が軽減され、高所得者では負担が増える」と説明しています。小池氏は、「これも高齢者だけでなく、すべての世代の国保料を平均して資産割もすべて同じようにかかるという乱暴な計算だ。実態を反映していない」と批判。国保料と新制度の保険料を八百五市区で比較すると、「低所得者の負担がむしろ重くなる傾向だ」と指摘しました。舛添要一厚労相も「裕福な人が軽減されるケースもある」と認めました。
また、小池氏が「長寿医療制度」に名前を変えた理由をただすと、舛添氏は、「『初心者マーク』を『若葉マーク』にしたのと同じ意味」と答弁。小池氏は「要するに中身は変わらないということだ」と批判し、制度の中止・廃止を求めました。