2008年4月9日(水)「しんぶん赤旗」

「改憲反対」が15年ぶり上回る

「読売」世論調査

「9条守れ」6割に


 読売新聞が一九八一年から実施している面接方式の「憲法」世論調査で、「憲法改正」反対が賛成を十五年ぶりに上回ったことが、同紙八日付の報道で明らかになりました。「今の憲法を改正しない方がよい」と思う人は43・1%で昨年調査より4・0ポイント増、「改正する方がよい」は42・5%で同3・7ポイント減でした。


 同紙調査では、九条については改定反対が一貫して多数でしたが、憲法全体については九三年から改定賛成が反対を上回り、二〇〇四年には賛成65・0%と最高を記録していました。しかし、同年に「九条の会」が結成され、翌年からは四年連続で改憲反対が増加、昨年は賛成が過半数割れしていました。

 反対の理由(複数回答)では、「世界に誇る平和憲法だから」が6ポイント増の52・5%でトップ、「基本的人権、民主主義が保障されているから」も4ポイント増やして26・6%でした。支持政党別でも、自民支持層で賛成が九七年以来の半数割れ、無党派層でも九三年以降はじめて反対が賛成を逆転しています。民主支持層では二年連続で反対が多数で、50・2%と過半数でした。

 九条については、「これまで通り、解釈や運用で対応する」と「九条を厳格に守り、解釈や運用では対応しない」のいずれも増加し、あわせて60・1%に。「九条を改正する」は30・7%で5ポイントも減少、九条改定反対が圧倒していることを示しています。本来一体である九条を一項、二項に分離して改定の賛否を聞いた設問でも「改正する必要がない」が一項で81・6%、二項で54・5%を占めました。同紙は、これらの結果について「憲法改正に強い意欲を示した安倍前首相の突然の退陣」などに原因を求めています。

グラフ


憲法会議代表幹事 川村 俊夫さんの話

草の根の運動の力

 「読売」調査の転換点は二〇〇四年です。この年の六月に「九条の会」が結成され、全国で草の根の「会」が結成されていくのとほぼ並行して九条改定反対が増加し、賛成派との差は年々拡大しています。そして、今回、憲法改定そのものへの反対も賛成を十五年ぶりに上回りました。草の根の運動の力です。

 草の根の運動が広がったのは、改憲の中身がたんに自衛隊を合憲とするなどということではなくて、「海外で戦争をする国づくり」なのだということをみんなが知り始めたからです。海外派兵・武力行使恒久法についても、海外での武力行使を可能にする中身を知らせていくことが大事です。

 改憲派も草の根の運動の重要さに気づきつつあります。「新憲法制定議員同盟」は「九条の会」に対抗する国民運動を提起し、それと連携して日本青年会議所が「憲法タウンミーティング」を全国で開催する計画です。

 だからこそ、「九条の会」を小学校区単位で結成するなど、憲法を守り生かす草の根の取り組みをますます強めて、職場・地域・学園で世論を動かしていくことが大事になっています。



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