2008年4月11日(金)「しんぶん赤旗」
“保険証来ない”続発
後期高齢者医療 各地で混乱
旧保険証でも当面は容認
一日に開始された後期高齢者医療制度で、対象者本人に新しい保険証が届かない事態が各地で相次いでいます。保険証を発行する各都道府県の広域連合の集計では、本人に届かず返送されてきた保険証は十日現在で大阪府が約一万六千件、東京都が約九千件、愛知県が約八千七百件などとなっています。厚生労働省は現在、全国調査を行っていますが、数万件の規模となるのは必至です。
新しい保険証がないため、病院窓口で全額自己負担を強いられるケースが続発。厚労省はあわてて、三月までの旧保険証や身分を証明できるものを窓口で示せば、原則一割の自己負担で受診できる暫定的対応を求める事務連絡を都道府県などに出しました。
厚労省によると、保険証がないトラブル例としては▽転居や不在で返送された▽以前と形が変わったので保険証と気付かずに捨てた▽ダイレクトメールと勘違いして捨てた―などがあります。「転送不要」にしたため、転居した本人に届かないケースも目立ちます。制度がほとんど知られていないにもかかわらず、丁寧な説明もなくいきなり保険証を郵送したことで混乱に拍車をかけています。
十五日に行われる年金からの保険料天引き対象者には、保険証が手元にない人も多数含まれているものとみられます。