2008年4月12日(土)「しんぶん赤旗」
雇用創出事業など
財源6兆円使われず
小池議員が批判
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雇用情勢が依然として厳しいにもかかわらず、雇用対策事業などに使われていない財源が六兆円以上にのぼっていることが、十日の参院厚生労働委員会で分かりました。日本共産党の小池晃議員の質問に、厚生労働省が明らかにしたものです。
厚労省が三月末で打ち切ったのは、「緊急雇用創出特別基金」。一九九八年に創設され、一般会計から拠出した五千九百六十一億円を基金として「長期失業者就職支援事業」など七つの雇用対策事業が行われました。
この日の答弁で厚労省は、二〇〇七年度末の給付実績(見込み)は基金総額の53%、約三千百八十七億円にとどまっていると報告。基金の半額にあたる約二千七百七十四億円が使い残されていることを明らかにしました。
失業給付を行う雇用保険の積み立て残高についても約四兆九千三百六十二億円(今年度末)、雇用保険の二事業(雇用安定、能力開発)の残高も一兆一千七百六億円にのぼることを報告しました。
小池氏は、「こうした財源を活用すれば雇用対策はもっと拡充できる。ワーキングプアで苦しむ人が能力を高めて、条件のいい仕事につけるようにすることは日本社会全体の活力につながる」とのべ、職業訓練や能力開発で支援しながら、収入不足を公的な給付で補う仕組みを検討すべきだと求めました。
舛添要一厚労相は「ひとつの政策だと思う」とのべつつ、「(当事者が)境遇を早く抜け出すインセンティブ(動機)を抑える心配がある」と答えました。