2008年4月12日(土)「しんぶん赤旗」

米大統領

戦争継続を正当化

イラク作戦 兵力の削減見送り


 【ワシントン=鎌塚由美】ブッシュ米大統領は十日、ホワイトハウスで演説し、イラクについて「米国の今世紀の最大の脅威であるアルカイダとイランの集中点」だとして、イラク戦争の継続を正当化しました。その上で「今日われわれが直面する敵は、拡大主義者だけでなく、われわれの国土を攻撃し、再び攻撃することを狙っている者だ」と強調しました。

 ペトレアス司令官、クロッカー大使からの報告を受けた形で、戦争政策を述べたもの。戦争への国民的批判が高まっていますが、さらなる撤退には言及しませんでした。

 今回の演説は夜の全国テレビ放送ではなく、午前中に政権関係者らを集めて行われました。演説でブッシュ氏は、ペトレアス現地司令官らの報告からも、イラクでの作戦は「正しい路線」にあると主張。七月以降の追加削減の見送りを表明しました。

 兵士とその家族への「圧迫」については、現実の問題となっていると認め、陸軍の派兵期間を十五カ月から十二カ月に縮小すると発表。長引く戦争で士気の低下が指摘されるなか、「イラクで敗北することは、兵士の士気をくじき、軍を弱体化させる道」だと主張しました。

 八、九の両日に米議会で行われた現地司令官らの証言でも、議員からは膨大な戦費への国民的な批判を反映した声が出されました。これに対しブッシュ大統領は、「冷戦」時代の軍事費は国内総生産(GDP)の6%だったと述べ、現在の軍事費(GDPの4%)は「穏当」だと反論しました。



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