2008年4月17日(木)「しんぶん赤旗」
「軍強制」 記述求める
教科書問題 沖縄代表、首相らに
沖縄戦の「集団自決」をめぐる教科書検定問題で、教科書検定意見撤回を求める県民大会実行委員会(仲里利信実行委員長・県議会議長)は十六日、福田康夫首相や渡海紀三朗文部科学相あてに、改めて検定意見撤回と「日本軍による強制」の記述回復にむけた要請を行いました。
この要請は先月、大阪地裁判決が「集団自決」での軍関与を認め、原告請求を棄却したことを受け行われたもの。仲里実行委員長をはじめ、玉寄哲永(県子ども会育成連絡協議会会長)、小渡ハル子(県婦人連合会会長)両副実行委員長、県議会与野党議員代表が参加しました。
文科相への要請では池坊保子副大臣が応対。歴史教科書の記述は、前より進展しているとの考えを示した上で、裁判について「今係争中であり、その(判決が出た)ことによって教科書を変えるという意思はない」と述べました。
実行委員らによると、首相官邸では大野松茂内閣官房副長官が応対し、「官房長官、総理に伝えます」と回答しました。
要請後、小渡副実行委員長は「事実は覆されない。文科副大臣は『軍の関与』が書き込まれたことを評価しているが心外で面白くなかった。裁判を見守りたいと逃げている」と語気を強めました。
仲里実行委員長は「根拠が崩れたのだから検定意見も当然、撤回してしかるべきと要請した。非常に物足りない。残念。われわれからすれば、あの言い方は考えられない」と話しました。
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