2008年4月17日(木)「しんぶん赤旗」
衆院委
食料安保は危険水域
吉井議員 主権確立を求める
|
日本共産党の吉井英勝議員は十六日、衆院経済産業委員会で、日本の食料安全保障が危険水域に達している実態を示し、抜本対策を求めました。
吉井氏は、原油高騰の影響で小麦、大豆などの穀物市場価格が三倍近く跳ね上がり、食料をめぐる暴動が三十七カ国で発生していると指摘。世界の穀物在庫の状況を確認しました。
農水省の伊藤健一総括審議官は、十年前に26・9%あった期末在庫率が最新のデータでは15・0%になっているとし、食糧危機といわれた一九七〇年代を下回ることを明らかにしました。
吉井氏は、FAO(国連食糧農業機関)の「安全在庫水準」を割り込んでいると強調。「食料安全保障を考えたとき、日本独自の自衛策がなければ国民の食の安全は守れない」と述べ、食料主権の確立を強く求めました。伊藤氏は、「国内農業を強化し、自給率の向上を図ることを基準に据えたい」と答弁しました。
吉井氏は、水はペットボトル一本(五百ミリリットル)あたりゼロキロカロリーなのに対し、同じ価格で買える米は千三百三十九キロカロリーという農水省の試算を提示。しかも、その生産者米価は九十円で水より安いとし、「経済産業省は農商工連携というが、基本の農林漁業が衰退したら連携しようがないではないか」と追及しました。
甘利明経産相は、「市場の要求を見越して商品提供する農業も考えなければならない」と農業を市場原理にゆだねる姿勢を示しました。