2008年4月17日(木)「しんぶん赤旗」
低レベル放射性廃棄物処分
国が責任もち実施を
衆院委で石井議員
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日本共産党の石井郁子議員は、十六日の衆院文部科学委員会で、医療機関や研究施設から出る低レベル放射性廃棄物の埋設処分事業について質問し、「国の責任を明確にして行うべきだ」と要求しました。
文科省によると、原子力発電所以外から出る、ゴム手袋や医療用放射線治療器具などの低レベル放射性廃棄物は、現在、全国約二千四百カ所の病院や研究施設などが、ドラム缶などで保管。その数は約五十五万本にのぼり、毎年一万本のペースで増えているといいます。
同委員会では、処分場確保のための関連法案が審議されていますが、その内容は独立行政法人・日本原子力開発機構を処分事業の主体とし、埋設・処分し、約三百年間にわたって管理するというもの。処分場にかかわる総事業費は約二千億円で、約八割の千七百億円について同機構が毎年四十三億円ずつ積み立てます。
石井議員が機構の現状をただしたのに対し、政府は、職員定数が、〇七年度までの十年間で五千二百人から千人以上削減され、予算も二千二百七十一億円(〇三年度)から千八百九十七億円(〇七年度)に減っていることを明らかにしました。
石井氏は、「国が何の手だてもなく新たな事業を押しつければ、機構本来の研究・開発がおろそかになる恐れがある。国が責任をもって人の増員と予算措置をとるべきだ」と求めました。
渡海紀三朗文科相は、「研究に支障があってはならない。機構は事業を効率化し、必要な人間はしっかり確保すべき。国も一体的に責任を負っていく」と答弁しました。