2008年4月18日(金)「しんぶん赤旗」
中止・撤回しか道ない
後期高齢者医療制度 志位委員長が会見
|
日本共産党の志位和夫委員長は十七日、国会内で記者会見し、後期高齢者医療制度など日本の針路にかかわる重大問題にたいする党の立場を表明しました。
志位氏は、後期高齢者医療制度について、千三百万人もの高齢者を別枠の制度に囲い込み、差別的に扱うなど、制度そのものが根本から間違っていると強調しました。
保険証が届かない、保険料の算定が間違っているなど、政権担当能力を喪失したような実態にもふれ、国民的な運動と結んで撤回・中止に追い込む決意を表明しました。
自民党内で同制度を見直す動きが出ていることについて志位氏は、「与党からも見直しの声が出てきたということは、いかにこの制度への国民の怒りと批判が強いかということを示している」と指摘。同時に、「見直して多少取り繕えばすむという生やさしいものではない。制度の考え方の根本が間違っているわけで、中止・撤回しか解決の道はない」と重ねて強調しました。
さらに志位氏は、「道路問題は当面の熱い問題だが、それ以外にも政治が責任を負うべき国政上の大問題が山積している」として、後期高齢者医療制度問題にくわえて、一連の問題に言及しました。
雇用の問題では、この間、派遣労働問題に取り組んできたが、製造業の一部企業が派遣労働解消に向けて動くなど、潮目が変わってきたと指摘。その一方、直接雇用とはいえ、雇用期間限定の「期間工」に置き換えられている問題もあるとし、正社員化をめざすとりくみをいっそう強めるとともに、労働者派遣法を“派遣労働者保護法”に変えるとりくみを大いにすすめたいとのべました。
農業・食料問題では、世界的に農業危機が進行し、暴動が発生している国もあるなか、「この状況の中で日本が、39%にまで落ち込んだ食料自給率をどう引き上げ、世界的な食料危機にどう対応していくかが大変重要な問題となってきた」とのべました。
地球環境の問題では、日本政府が今年の洞爺湖サミットに向けて、温室効果ガス排出量の総量削減に責任を負わない「セクター別方式」を打ち出して国際社会から批判されていると指摘。この問題の打開のため、欧州に派遣した調査団の活動も踏まえ、党として抜本的対策を示したいとのべました。
志位氏は、医療、雇用、食料、環境などの国政上の大問題について、「わが党の綱領の立場で打開策を示し、そして国民的な運動も起こしていきたい」「そういう構えで今後の国会、国政に臨みたい」と表明しました。