2008年4月19日(土)「しんぶん赤旗」
温暖化対策 共産党調査団が報告会
欧州、緊迫感もち削減
日本政府・財界と大違い
笠井団長が報告
日本共産党の地球温暖化対策チーム(責任者・小池晃政策委員長)は十八日、欧州の温暖化対策の取り組みについて現地調査した党欧州温暖化対策調査団の報告会を国会内で開きました。環境団体や市民団体、労働組合のメンバー、科学者など約百三十人が参加しました。調査団長の笠井亮衆院議員が、スライドで写真やグラフを示しながら報告。真剣に取り組む欧州と比べ、「日本の政府や財界が立ち遅れているというより、むしろ顔の向きが逆になっていると痛感した」と語りました。
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あいさつした小池氏は「日本共産党ならではの提言をまとめるために、力を尽くしたい」と述べました。
調査団は、ドイツ、イギリス両国政府や自治体、産業界、ベルギーにある欧州連合(EU)など三カ国二十四カ所で、二十九回の聞き取り、懇談、自然エネルギー関連施設の視察などをしました。
笠井氏は、欧州が科学的知見を真剣に受けとめ、温暖化の重大性を緊迫感をもって認識していることを強調。イギリスの財界の総本山、英産業連盟(CBI)が、「産業界の果たす役割が決定的だ」として、対策の中心に立っていることを紹介しました。
政府と産業界との協定、排出量取引などについて、各国政府や産業界が「模索と葛藤(かっとう)、試行錯誤する姿を垣間見た」として、苦労しながら実際に削減に成功している事例を紹介。また、再生可能エネルギーの促進で地域振興に成功した例、まちづくりや交通政策など、視察した各地の独自の取り組みを紹介しました。
日本政府が中期削減目標をいまだにもっていないことに、世界がいらだっていることを指摘し、「法的拘束力のある数値目標をもつべきだ」と述べました。
笠井氏は調査結果をふまえ、政府と産業界の協定、再生可能エネルギーの活用、排出量取引制度や環境税の導入などの経済措置、中長期削減目標をもりこんだ日本版「気候変動法」のような法律などが必要ではないかと述べました。
参加者からは、「政府と財界に対策を迫っていくのが、大きな焦点だ」「今後の運動にプラスになった」など、意見や感想が相次ぎました。
笠井氏は、報告会に先立ち、環境省で調査報告について記者会見をしました。
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