2008年4月19日(土)「しんぶん赤旗」
情報収集衛星
軍事偵察が目的
吉井議員 活用状況ただす
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日本共産党の吉井英勝議員は十八日の衆院内閣委員会で、大規模災害対策を含む「多目的」を名目に打ち上げている情報収集衛星の活用状況についてただしました。
気象庁の伊藤秀美地震火山部長は、同衛星からの画像データ提供の有無について「答えられない」を連発。衛星が事実上、もっぱら軍事偵察目的であることが浮き彫りになりました。
同衛星は、「外交防衛等の安全保障」とともに「大規模災害等への対応」を目的に二〇〇三年から現在まで四機が打ち上げられています。衛星本体だけで今年度予算を含め約六千二百億円が使われていますが、これまで災害対策での活用実績が公表された例はありません。
吉井氏は「日本は百八の活火山があり、火山災害と隣り合わせの国。衛星をつかった常時監視が必要だが、なぜ活用しないのか」と質問。伊藤部長は、「衛星の性格上、答弁は差し控える」などと繰り返しました。
吉井氏が「多目的という情報収集衛星は結局、軍事偵察衛星の偽装工作だ。日本の宇宙科学のありかたについて、国会決議に基づいてきちんとした態度を貫くべきだ」と迫ったのに対し、岸田文雄内閣府科学技術担当相は「国会決議については、政府が尊重して行うべきであるのは当然と思う」と答弁しました。