2008年4月21日(月)「しんぶん赤旗」
国交族自民議員に500万円
天下り法人役員73人献金
国土交通省の官僚トップである事務次官OBの自民党・佐藤信秋参院議員が、同省所管の五十一の公益法人や特殊法人などに天下った同省OBの役員七十三人から、一年で約五百万円の献金を受けていたことが二十日、本紙の調べで明らかになりました。これらの法人の大半は同省から随意契約での業務発注や補助金を受けており、計二千億円以上にのぼります。個人献金の名目で税金が政治家へ還流する癒着の構図が浮かびあがります。
佐藤氏の資金管理団体「佐藤信秋後援会」の政治資金収支報告書によると、初当選前の二〇〇六年に三百四十人以上から千九百万円の個人献金を集めています。
献金者の二割以上が国土交通省(旧建設省)OB。次官や技術官僚トップの技監、河川局長や道路局長など幹部経験者の名前が並びます。道路と河川部門は国交省の公共事業費の半分が支出される分野です。
佐藤氏に献金した同省OB七十三人は現在、公益法人や特殊法人で理事長や専務理事などの役員となっています。一人当たりの献金額は三万円から二十万円。計四百九十八万円を集めました。
五十一法人中四十三法人が〇六年度上半期だけで計千百七十六億円にのぼる業務を国から随意契約で受注していました。また六法人が計千十五億円にのぼる補助金を受け取っていました。
本紙の取材に佐藤氏側は、「佐藤の先輩、同僚として、同じ職場で働いた方々が、善意により個人的に寄付されたもの。ご指摘のような内容ではありません」としています。
佐藤氏は道路局長、技監、事務次官と同省の要職を歴任。旧建設省元河川局長の岩井國臣前参院議員の後継者として、二〇〇七年に初当選しました。
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