2008年4月21日(月)「しんぶん赤旗」
子どもの本・九条の会 発足
松谷みよ子さん・古田足日さんら よびかけ
「子どもの本・九条の会」の設立のつどいが二十日、東京都渋谷区にある都立児童会館で開かれました。戦後の児童文学を築き、多くの子どもたちに愛される作品を作ってきた作家の松谷みよ子さん、古田足日さんら十二人が呼びかけたものです。会場には著名な作家、絵本画家、子どもの本にたずさわる関係者約四百五十人がつめかけました。
呼びかけ人のうち十人が登壇。いずれも児童文学界で著名な人たちばかりで、一堂に会してメッセージを発するのは初めてのことです。
作家・編集者の小宮山量平さんは、「もしも」という詩を紹介。「もしもこどもがいなかったら(略)地球はつまらない、あらくれとなるでしょう」と朗読し、「この詩のように、飛んだり歌ったりする、光り輝く子どもたちのために憲法九条を守りましょう」と訴えました。
広島で被爆した絵本作家の太田大八さんや、児童文学研究者の鳥越信さん、絵本作家の田畑精一さんらが戦争体験を語りました。作家の丘修三さんは戦後、父親に「なんでお父さんたちは戦争をとめられなかったの?」と問いかけたことがありました。いま自分がその父親の立場にいるようだ、といいます。
松谷さんも戦争体験を語りながら、「ご一緒に憲法九条を守っていきましょう」と呼びかけ、読書運動を広げる広瀬恒子さんも「九条を平和の礎に」と訴えました。
今後、松谷さんの作品にもある「被爆ピアノ」の演奏会や、日中韓の絵本画家による原画展などで積極的に活動を展開していく予定です。
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