2008年4月21日(月)「しんぶん赤旗」
公共事業・補助金が還流
国交族への天下り役員献金
国交省所管法人に天下った、国交省OBによる、国交省幹部出身議員への献金―。自民党の佐藤信秋参院議員に役員が献金をしていたのは五十一法人にのぼります。その大半の法人の活動は国交省、政府の公共事業や補助金をよりどころにしています。
国の優遇鮮明
理事長ら三人が計十八万円を献金した「財団法人河川情報センター」は、〇六年度上半期だけで国から、河川の水位データ監視などで三十億円余りを受注。同法人が受注した業務はすべて随意契約によるものです。
同センターは、本紙の取材に理事長の個人献金について「個人の問題なのでわからない」と回答しました。
元河川局長の理事長が十万円の献金をした「財団法人リバーフロント整備センター」も同省から十六億円の事業を受注しています。同法人も河川敷の整備計画の方針策定などの業務を随意契約で受注しています。
随意契約99%
他社との競合にさらされる競争入札でなく、国からの指名で業務を受注する随意契約。〇六年度上半期に国と契約を結んだことのある四十三法人の契約内容は二千百四十件のうち99%の二千九十二件が随意契約となっており、優遇される天下り法人の姿が見えてきます。
また国からの補助金を受けている首都高速道路株式会社や日本高速道路保有・債務返済機構の役員らからの献金もありました。
随意契約のみの業務受注を受ける法人役員からは二十万円近い献金を受けています。国からの補助金や業務を受けていない法人役員は小額となる傾向がありました。
十万円を献金した水資源協会の近藤徹理事長は、本紙の取材に「立ち遅れたわが国の社会資本の現状を憂えて、その必要性を広く国民に訴えて理解していただくために、佐藤信秋君が国会議員に立候補したので、その志に賛同した」と答えました。
佐藤氏は、当選前の〇七年一月に、談合事件で問題になった鋼鉄製橋梁(りょう)メーカー各社にパーティー券購入を依頼したことがあります。
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国土交通省所管の公益法人 同省の許可を受けて設立された四百七の財団法人と七百三十五の社団法人があります。新たな本四架橋建設のための調査業務や駐車場経営、情報提供サービスやコンサルタント業など広範な業務があります。その多くは国交省から随意契約で受注しています。
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