2008年4月23日(水)「しんぶん赤旗」

後期高齢者医療制度

延命の抑制が目的

小池氏 “生”への願い「悪」か


 日本共産党の小池晃議員は二十二日の参院厚生労働委員会で、後期高齢者医療制度が、お年寄りの延命治療の抑制を目的としていることを明らかにし、「これでは『うば捨て山』と言われても仕方ない」と批判しました。

 小池氏は、厚労省の担当者が後期高齢者医療制度の解説書のなかで、「家族が(延命を望み)いろいろな治療がされる。それがかさむと五百万円とか一千万円の金額になってしまう」「それを抑制する仕組み」などと説明していることを指摘。「生きていてほしいという(家族の)願いに応えることはいけないことなのか」と迫りました。

 舛添要一厚労相は、「必要な医療は今までどおり受けられるようにする」としながらも、「負担と給付の割合について議論をする必要はある」などと主張しました。

 小池氏は、同解説が終末期医療にばく大な医療費がかかるように描いていることについても具体的に反論しました。

 高齢者の終末期医療を疾患別に調査した研究データでは、七十五歳以上の心疾患(死亡前四週間)が百五十七万円に対し、七十五歳未満は三百二万円となっています。小池氏は、後期高齢者にはすでに抑制された医療が行われていると指摘し、「これ以上の終末期医療の削減は、必要な治療も抑制する危険がある」と批判しました。


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