2008年4月24日(木)「しんぶん赤旗」

食料高騰

「静かな津波」と警告

国連機関 “1億人超、飢餓に”

ロンドン会議 英政府、救済を強化


 【ロンドン=岡崎衆史】国連世界食糧計画(WFP)は二十二日、世界的な食料価格の高騰を「静かな津波」と警告する声明を発表しました。声明は「食料価格高騰はWFPの四十五年の歴史で最大の課題となっている。静かな津波は、すべての大陸で一億を超える人々を飢餓に陥れる恐れがある」と危機感を表明しました。

 声明は、英政府が同日、ロンドンの首相府で開いた食料価格高騰の対策会議に合わせて発表したもの。会議に出席したWFPのシーラン事務局長は、「過去半年で数百万人が新たに飢餓状態に陥った」と指摘し、これを「飢餓の新しい局面」と呼びました。そして「緊急かつ長期的な解決に焦点を当てた国際社会の大規模で高度な行動」を訴えました。

 英政府が開いた会議は、価格抑制と最貧国救済に向けて、主要国首脳会議(G8)や欧州連合(EU)と連携を強めることを確認しました。

 ブラウン首相は声明で、「飢餓は世界市民としてのわれわれにとって、道徳的課題である。貧困国の政治的・経済的安定への脅威でもある」と指摘。対応のため、G8や国連、世銀、国際通貨基金(IMF)などが一丸となって行動を取ることを求めました。特に、途上国への支援の増額の必要性を強調。アフリカ諸国などでのWFPの活動を支援するため、三千万ポンド(約六十二億円)の拠出を表明しました。

 会議には、英国の政治家と、WFPを含む国際機関、大学、非政府組織の専門家計二十五人が出席しました。


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