2008年4月25日(金)「しんぶん赤旗」

林野庁

天然林を大量伐採

紙氏追及 風倒木処理名目に


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(写真)質問する紙議員=24日、参院委

 日本共産党の紙智子議員は二十四日、参院農林水産委員会で、天然林の大規模伐採の実態について質問しました。

 紙氏は、二〇〇四年度の国有林野事業統計にもとづく概算では、北海道森林管理局の全伐採量に占める天然林の比率が86%に上っていると指摘。例として檜山森林管理署の天然林をあげ、ブナ林の北限の一つとして貴重な森であるにもかかわらず、伐採率50%という状態を明らかにしました。

 紙氏はさらに、大雪山国立公園内の天然林が「風倒木処理」を名目に六十五ヘクタールも伐採され、しかも重機で山の斜面を削るなどの重大な自然破壊が横行している実態を示し、農水省と林野庁の認識をただしました。

 井出道雄林野庁長官は、「さまざまな木材需要に応え、林産物を持続的かつ継続的に供給し、地域の産業振興や木の文化の承継に寄与している」と、天然林大規模伐採を正当化しました。

 紙氏は、伐採が山奥の作業で人目につかないことから、自然保護団体の調査で初めて明らかになっているのが実態であり、「風倒木処理を隠れミノに根こそぎ伐採し、利益を上げているのではないかとの声もある」とのべ、天然林伐採の縮小を求めました。

 若林正俊農水相は、天然林の長期的に持続可能な利用と維持・増進を図るよう担当者に徹底すると答弁しました。


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