2008年4月29日(火)「しんぶん赤旗」
IHI(旧石川島播磨重工業)の横暴に勝った
和解調印 雇用守らせる
労組員一掃狙った子会社解散に反撃
IHI(旧石川島播磨重工業)が子会社のTEC(東京エンジニアリング)を解散し、労働者全員を解雇しようとした問題で二十八日、雇用保障を求めてたたかっていたJMIU(全日本金属情報機器労組)TEC支部の組合員十一人がTECに謝罪させ、雇用確保などを勝ち取りました。
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親会社のIHIは、働きやすい職場をめざして活動する日本共産党員や労働者を差別する反共労務政策をとってきました。IHIはTECにも労務担当者を出向させ、昇進昇格差別などを行ってきました。会社解散・全員解雇は、JMIU組合員をIHI関連会社から一掃することが狙いの一つでした。
この日、八十人近い支援者が見守る中で東京都労働委員会で和解協定に調印。拍手と「よかった」の声に包まれました。
和解協定では、TECが自社の解散にいたったことに遺憾の意を表明。一人を出向先の正社員として雇用。定年前の五人と定年を迎えた一人を他のIHI子会社に雇用し、現在と同職種で、現行の賃金水準を下回らないことで合意しました。JMIU・六人の組合員と、雇用する子会社との間に労使関係が発生し、団体交渉などにも応じるとしました。TECが解決金を支払うことで定年退職した他の組合員についても事実上、謝罪しました。
JMIU支部の吉田眞盛委員長は、「大企業が下請け企業を道具のように切り捨てる風潮の中、たたかうことで雇用を守れた。IHIはものをいう労働者を職場から追い出したかったのだろうが、はね返せた。働く仲間と一緒に権利をこれからも守っていく」と笑みをみせました。
組合員の男性(59)は、「昇格差別も受けてきたが、組合員だったから、多くの労働者の悩みにも応えてこれた。大企業の責任を果たさせることもできた。長年、会社のためにつくしてきたのに、ここで負けてたまるかと最後の意地を見せることができた」と語りました。
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