2008年5月1日(木)「しんぶん赤旗」
暫定税率復活 自公が強行
共産党、出席し堂々と反対
衆院本会議 民・社欠席
自民・公明の与党は三十日、衆院本会議で、ガソリン税の暫定税率を復活させ、今後十年間維持する租税特別措置法改定案など歳入・税制関連法案の再議決を強行し、三分の二以上の賛成で成立させました。法案が参院に送付されて六十日経過したことから、参院で「否決」したとみなす議決をしたうえでの暴挙です。参院の審議権を奪う「みなし否決」は五十六年ぶりでした。
これにより、五月一日から暫定税率分(一リットル当たり約二十五円)など国民には約二・六兆円の大増税となります。日本共産党は衆院本会議に出席し、堂々と討論を行い、再議決に反対しました。民主党、社民党は欠席。国民新党は再議決の際に欠席しました。日本共産党は本会議に先立ち国会議員団総会を開き、志位和夫委員長が政府・与党による暴挙に厳しく抗議しました。
一片の道理もない
議員団総会 志位委員長が批判
|
志位委員長は与党による暫定税率再議決について、「政府・与党のみずからの言明にてらしても、国民生活の深刻な実態にてらしても、ひとかけらの道理もない暴挙だ」と述べ、三つの角度から、批判しました。
第一は、歳入・税制関連法案が、道路特定財源を十年間続けることを前提にしている問題です。二〇〇九年度から道路特定財源を一般財源化するとした福田康夫首相の言明と根本から矛盾するものです。
第二は、暫定税率の復活が、二・六兆円もの増税を強いる問題です。食料など生活必需品の値上げや、後期高齢者医療制度による負担増のもとで、暫定税率を復活させれば、国民生活に重大な混乱と打撃を与えることは明らかです。
第三は、なぜ、これほどまでに政府・与党が暫定税率復活に固執するのかという問題です。それは、「総額先にありき」で高速道路をつくり続ける計画を進めるためです。この方式にしがみ続けるかぎり、たとえ一般財源化したとしても、際限なく高速道路づくりが続くことになります。
志位氏は「無駄な道路ではなく、福祉と暮らし、医療にこそ大切な税金を使えというのが国民多数の声だ」と強調し、道路特定財源と暫定税率の十年延長の中止、「道路中期計画」の撤回を求めました。
次に志位氏は、今後の国会にのぞむ党の基本姿勢について、「論戦と国民運動をつうじて、福田・自公政権を追い詰め、国民要求を実現する――この立場が何よりも大切だ」と述べました。
道路問題とともに、後期高齢者医療制度の廃止や、労働者派遣法の抜本改正、日本農業の再生、地球環境問題、名古屋高裁で違憲と断罪されたイラクへの自衛隊派兵など、国会が取り組むべき問題は山積しています。
志位氏は「これらの国政上の問題について、国民の前でことの是非を明らかにする徹底した論戦を行うことこそ、国会の責任だ」と強調。引き続き党国会議員団が、論戦と国民運動によって政権をおいつめ、国民要求を実現するという天下の大道に立ち、真価を発揮する決意を表明しました。
■関連キーワード