2008年5月1日(木)「しんぶん赤旗」

求人倍率、0.95倍に悪化

3月 4カ月連続 1倍割る


表

 厚生労働省が三十日発表した三月の全国のハローワーク(公共職業安定所)での有効求人倍率(季節調整値)は、前月から〇・〇二ポイント低下し〇・九五倍となりました。十カ月連続の悪化です。

 前月に続き、一人の求職者に対し一人分の求人しかない一倍を四カ月連続で割り込みました。

 公共職業安定所での求人を多く出している中小企業が、原油・原材料高の影響で経営が圧迫され、企業に人手不足感があるものの求人を手控える状況です。

 新規求人数(季節調整値)は前年同月比で21・3%減と大幅に悪化しています。新規求人数の悪化は十五カ月連続。雇用の先行きの悪化を示しています。厚生労働省は「改善の動きは弱まっている」としています。

 「正社員」に対する有効求人倍率は、〇・六〇倍となり、前年同月を〇・〇三ポイント下回りました。「正社員」への新規求人数は、前年同月比で11・7%減の三十一万千九百三十六人、就職件数でも前年同月比で9・7%減の八万七千二百二十二件に悪化しています。

 都道府県別(表)に有効求人倍率をみると、最も低い北海道が〇・三四倍。最も高い愛知県が一・八四倍です。

完全失業率は3.8%

小企業・自営業の雇用減少

3月

 総務省が三十日発表した労働力調査(速報)によると、三月の完全失業率(季節調整値)は、前月より0・1ポイント低下の3・8%となりました。

 性別では、男性が3・8%で0・2ポイント低下、女性が3・9%で0・1ポイント上昇しました。女性の失業率が男性を上回るのは、一九九八年の五月以来。

 完全失業者の求職理由では、「新たに収入が必要」が五万人増の四十一万人となっています。主婦が求職を始めることで、女性の失業率が上昇していることがうかがえます。

 また、就業者数は、三月に十五万人減、二月に十万人減と、連続して減少しています。仕事自体の減少で、先行きの低迷が予想されます。

 また、企業の従業者規模でみると、二十九人以下では、前年同月比で二十一万人減の千六百六十二万人、十カ月連続の減少です。小規模企業・自営業者で雇用が失われていることが分かります。

 二〇〇七年度平均の完全失業率は3・8%。

グラフ


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