2008年5月1日(木)「しんぶん赤旗」

暫定税率復活

国民生活に大打撃

衆院本会議反対討論


 三十日の衆院本会議で、ガソリン税の暫定税率復活をはじめとする歳入・税制関連五法案の再議決について討論をおこないました。日本共産党から、反対討論に▽五法案が参院で否決されたとみなす動議に穀田恵二議員▽地方税関連三法案の再議決動議に塩川鉄也議員▽国税関連二法案の再議決動議に佐々木憲昭議員が、それぞれ立ちました。


穀田氏

「みなし否決」は参院審議権の剥奪

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(写真)討論に立つ穀田恵二議員=30日、衆院本会議

 穀田氏は歳入・税制関連法案について「現に参院で審議中であり、日程協議が行われ審議の意思は明確だ」と指摘。衆院が一方的に否決とみなすことは「参院の審議権を剥奪(はくだつ)するもの」と批判しました。

 穀田氏は法案について、参院送付後六十日間で事態が大きく変わったと指摘。「道路財源を確保し、五十九兆円にのぼる道路中期計画のもとで、際限なく新たな高速道路建設を推進する」ことへの国民的批判が沸騰したからこそ、首相は「一般財源化」をうちだしたと力説しました。

 穀田氏は、「にもかかわらず、十年間道路特定財源を維持することを前提に暫定税率を復活させる税法改正案をそのまま成立させることは許されない」と批判。「道路特定財源は、一般財源化して、道路にも環境にも福祉にも使えるようにすべきだ」との国民多数の声にこたえるべきと表明しました。


地方税で塩川氏

国民には大増税 物価高騰を加速

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(写真)討論に立つ塩川鉄也議員=30日、衆院本会議

 塩川氏は、地方税三法案を再議決する動議は、「暫定税率復活反対の国民世論を無視する暴挙だ」と反対を表明しました。

 暫定税率の復活は二兆六千億円の大増税になるとし、「大増税を国民に押し付け、物価高騰を加速させ、後期高齢者医療制度の負担増とともに国民生活を圧迫させるものになる」と批判しました。

 「地方税法では、軽油引取税などは道路整備に充てるという目的税が掲げられたままだ」と指摘。法案を押し通すことは首相の一般財源化の言明を自ら否定するものだと述べました。

 さらに、法案が、法人税収の半分を国税化して改めて国が地方へ配分する仕組みを定めていることにふれ、「国から地方への税源移譲に逆行する」と批判。法案が「税制の抜本的改定」に言及しており、「将来の消費税率の引き上げに連動するという点でも見過ごすことができない」と述べました。


国税で佐々木氏

整合性とれない10年間継続

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(写真)討論に立つ佐々木憲昭議員=30日、衆院本会議

 国税二法案を再議決する動議への反対討論に立った佐々木氏は「暫定税率を三分の二の多数で強引に復活させることは国民に対する真っ向からの挑戦だ」と批判しました。

 佐々木氏は、貧困と格差の広がり、生活必需品の値上げなどで、庶民の暮らしは極めて深刻だと述べ、「暫定税率の復活は、本則で一リットルあたり二十四・三円のガソリン税を四十八・六円に引き上げる大増税だ」「国民生活に重大な打撃を与えようとしている」と指摘しました。

 また、法案には二〇一八年三月三十一日までの暫定税率の継続が盛り込まれており、「増税の暫定期間を、これまでの五年から、一気に二倍の十年に引き伸ばすのは、あまりにも厚かましい」と批判。自民・公明の「合意文書」で「来年度からの一般財源化」としているのに、「これから先十年間も暫定税率を続ける法案を通すのは、誰が見てもまったく整合性がとれない」と述べました。



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