2008年5月4日(日)「しんぶん赤旗」
もう戦争孤児つくらないで
海老名さん講演 佐賀で革新懇集い
エッセイストの海老名香葉子さんを迎えて「平和と憲法」を考えるつどいが三日、佐賀市内で開かれました。主催は、佐賀県革新懇、全国革新懇と実行委員会です。会場の佐賀市文化会館中ホールは、立ち見も出る八百人以上の県民で埋まりました。
「平和いつまでも」と題して講演した海老名さんは、「おかげさまで元気です」と登壇。愛をいっぱいそそいでくれた親や、団らんのひとときなど、いまだに鮮明に残る家族の思い出をエピソードも交えて語ると、時に会場は笑いや涙に包まれました。一九四五年三月九日の東京大空襲で戦争孤児になったこと、つらい戦後経験を持ち前の明るさで乗り切りながら家族の大切さを語りました。
最後に、「九条ができて戦争を放棄しました。二度と痛ましい戦争が起きないよう、二度と私のように戦争孤児ができないでほしい。平和に暮らしていけるように。これが生涯かけた私の願いです」と結ぶと、会場から大きな拍手がわき起こりました。
つどいでは、主催者を代表して、弁護士の本多俊之氏が「わたしたちのくらしと憲法」をテーマに話しました。憲法一三条にある、国民一人ひとりの幸福追求権が花開く国政を実現させようと呼びかけました。
参加者は、「平和の旅へ合唱団」による、生まれて六十二歳になる日本国憲法をたたえた「わたしを褒めてください」の歌声なども楽しみました。
「海老名さんの話を聞いて戦争の体験、空襲で防空壕(ごう)に逃げ込んだことを思い出した」というのは七十八歳の女性。「二度と戦争はいやですね。私たちも、海老名さんに学んで、若いひとたちに戦争の悲惨さや憲法九条の大切さを伝えていかなければ」と語っていました。
■関連キーワード