2008年5月5日(月)「しんぶん赤旗」

平和憲法の価値再発見

9条世界会議開幕 内外参加者熱く交流


 憲法九条の意味を世界の人々と考える「9条世界会議」が四日、千葉・幕張メッセで開かれ、講演や合唱、アーティストによるライブなど多彩な催しが行われました。全国から参加者がかけつけ、満席となった会場にはのべ一万二千人が入場。三千人以上が入りきれませんでしたが、外でも海外ゲストとの交流が行われました。

 実行委員会共同代表の池田香代子さん(翻訳家)は、「平和憲法は日本の市民が日々選びとり、六十一年間努力して維持し続けてきたもの」と強調。イラク派兵を憲法九条違反と断じた名古屋高裁判決を原告の一人として法廷で聞いた感動を述べ、「民主主義は戦争を否定して初めて本物になる」と訴えました。

 講演したノーベル平和賞受賞者のマイレッド・マグワイアさん(北アイルランド)は、「日本の平和憲法は、世界中の人々に希望を与え続けてきた」と指摘。一九九九年のハーグ平和会議を主宰したコーラ・ワイスさん(アメリカ)は環境や経済の面からも戦争をなくす大切さを訴えました。

 トーク企画「イラク、アメリカ、日本」では、いまでは平和活動に身を投じているイラク帰還米兵、元イラク兵、元米陸軍大佐のアン・ライトさんが、高遠菜穂子さん(イラク支援ボランティア)や雨宮処凛さん(作家)と討論。雨宮さんは貧困と戦争の関係にふれ、「解決策は、軍事費を削って生存の方に回すことだ」と訴え。高遠さんはイラクでの人質事件の体験から「九条で命が守られた。二度と同じようなことが起きてほしくない」と話し、盛んな拍手に包まれました。

 会議には、海外からも法律家団体やNGO(非政府組織)代表など三十カ国百五十人以上が参加しました。会議の日程は三日間の予定です。



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