2008年5月5日(月)「しんぶん赤旗」
食の異変
コメ小売制限広がる
アジア系住民地域でも
米国
【ワシントン=西村央】四月末に会員制の大手量販店でコメの販売数量の制限が始まった米国で、小売量制限の動きが広がりを見せています。
米紙ニューヨーク・タイムズによると、新たに小売制限の動きが出ているのは、西海岸サンフランシスコのアジア系コミュニティーで、コメを主食とする住民の多い地域です。同紙は、カリフォルニア州内で二十三店舗を展開する「99ランチ・マーケット」を含むアジア系のコメ取り扱い業者が、消費者が購入する袋の数を制限したことを伝えました。
先に小売制限に踏み切ったのは、会員制量販店最大手のコストコ・ホールセールと、ウォルマート系列のサムズクラブ。これらでの制限は、輸出用への転用とみられています。
同紙は、アジア系コミュニティーでの販売制限の背景には、コメの値上がりからくる消費者の買いだめ傾向があるとしています。すでに品薄になっている品種もでているといいます。
値上がり幅も著しく、サンフランシスコ市内の食料品で五十ポンド(約二十三キロ)入りの長粒米の四月二十九日の価格が三十二ドル―三十八ドルで、一カ月前に比べて35%も高くなっていることを紹介しています。
さらに、レストランにコメを卸している業者が価格が一カ月半前と比べて70%も値上がりしていることに触れながら、「われわれが価格をつり上げているわけではない。われわれに供給している業者が価格を上げている」と語っていることも伝えています。