2008年5月5日(月)「しんぶん赤旗」
中小企業救済へ英仏共同
EU委に書簡 金融危機に対応
【ロンドン=岡崎衆史】金融危機で資金繰りに苦しむ中小企業を救済するため英国とフランスの政府が共同行動を取っています。
ブラウン英首相とサルコジ仏大統領は四月三十日、欧州連合(EU)議長国スロベニアとバローゾ欧州委員長あてに書簡を出し、中小企業救済・支援での対応を急ぐよう求めました。
ロイター通信によると、両首脳は書簡で、「(中小企業の)継続的成功は欧州経済の将来の繁栄にとってカギだ」と位置づけ、「市場のみでは革新的で高成長の企業活動の立ち上げや、拡張のための十分な融資を提供しえない」と述べ、中小企業の問題を市場任せにしないよう訴えました。
また、「商業融資獲得における困難は、金融市場の最近の展開によって悪化した」とし、金融危機が中小企業に深刻な影響を与えていることに懸念を表明しました。
両首脳はその上で、欧州投資銀行(EIB)による中小企業融資の拡大、EU域内・域外市場での中小企業活動への援助、公共事業発注での中小企業支援―などを求めました。
また、中小企業支援のために、欧州委員会が六月に提案を予定している法案について、フランスがEU議長国となる今年後半以降、実現に向け両国が協力することを確認しました。
ブラウン首相は四月三十日、ロンドン市内で開かれた経営者協会(IOD)の大会で演説し、金融危機について、「グローバル化の新しい時代における最初の真の世界金融危機」とし、それへの対応措置の一つとして、中小企業融資の枠組みを拡大するよう訴えました。