2008年5月9日(金)「しんぶん赤旗」
増殖炉開発 世界は撤退
吉井議員 もんじゅ再開中止要求
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高速増殖炉「もんじゅ」の運転再開をやめ、再生可能エネルギーを推進するべきだ―。日本共産党の吉井英勝衆院議員は、八日の内閣委員会で、巨額の予算をつぎ込みながら国でさえ見通しが立たないもんじゅの問題点を指摘し、太陽光発電や風力発電などの開発・普及に力を入れるよう、政府の姿勢をただしました。
吉井氏は、日本の高速増殖炉計画が始まって以来、半世紀の間にかかった予算が単純に足し合わせただけで二兆七千四百六十五億円にも達することを、政府の資料にもとづいて紹介しました。
さらに、もんじゅは、現在、事故で止まっているにもかかわらず、今年度も四百十八億円の予算がついていることをあげ、これは再生可能エネルギーの普及のための今年度の予算三百七十七億円より多いと指摘。政府は今年の「サミット」を環境サミットと位置づけているのに、こうしたやり方はおかしいではないかと迫りました。
岸田文雄・科学技術政策担当大臣が「もんじゅは地球温暖化対策にとっても重要と考えている」とのべたのに対し、吉井氏は、これまで高速増殖炉開発に使われた予算を風力エネルギーの開発、普及に使っていれば、計算上、平均的な原発約二十基分のエネルギーを生み出すことができたと強調。「世界が撤退している高速増殖炉開発に固執するのでなく、再生可能エネルギーに予算をまわすべきだ」と求めました。