2008年5月14日(水)「しんぶん赤旗」
道路財源法案再議決の動議
穀田議員の反対討論 (要旨)
日本共産党の穀田恵二議員が十三日の衆院本会議で行った、道路整備財源特例法改定案の再議決を求める動議に対する反対討論(要旨)は以下の通りです。
政府与党は、四月三十日、ガソリン税などの暫定税率を復活させる租税特別措置法を「参院否決とみなし」たうえで再議決する歴史的暴挙を行いました。
二兆六千億円にのぼる大増税によって、ガソリン価格は三十円もの大幅値上げとなり、原油・食料製品などの値上げとあいまって、生活必需品の物価高騰に拍車をかけ、国民生活に大きな不安と失望を与えています。
国民の塗炭の苦しみをまったく顧みない福田内閣の姿勢は、断じて容認できません。内閣支持率が10%台に大幅に下落したのは当然であります。
にもかかわらず、昨日の参院本会議で否決された道路特定財源特例法改定案を再議決しようとしています。国民世論を無視する姿勢、ここに極まれり、といわねばなりません。
今回の道路財源特例法改定案の再議決には一片の道理もありません。「〇九年度から一般財源化」という福田総理の方針と根本的に矛盾するものです。道路特定財源を十年間にわたって維持しようという特例法改定案を再議決しながら、どうして「一年限り」だといえますか。
政府は、本日の閣議決定で来年度からの一般財源化の法改正を担保するといいますが、それは「道路特定財源制度の規定は〇九年度から適用されない」という文言を加えたものにすぎません。国会の議決で成立する法律を閣議決定で限定すること自体が暴論であり、法案修正しない限り、担保にはならないのです。
政府は、法案が成立しないと地方道路整備臨時交付金七千億円を地方に配分できないことを再議決の唯一の理由としてきましたが、この臨時交付金は、特定財源制度を前提にしたものです。一般財源化のもとでは見直さなければなりません。確かに多くの地方自治体が地方財源を削られては困ると切実にもとめているのは事実です。しかしそれを口実に特定財源を続けようというのは、断じて許せません。交付税措置をすればよいことなのです。
さらに、特例法改定案を再議決・成立させることによって次々に矛盾が噴出します。
法案は、第三条五項で、十年間の道路整備の事業量を閣議決定すると規定しています。「政府・与党決定」には「真に必要と判断される道路整備を」と盛り込まれており、ひきつづき道路整備を優先的にすすめようということではありませんか。
また現行の「道路中期計画」は、高速道路の新たな建設を中心にした膨大な計画です。この際限ない高速道路優先の道路政策こそ一般財源化の障害であることはいまや明白です。
こうした道路政策から、住民に身近な生活道路の維持管理などを中心にした道路政策に転換することがもとめられているのです。
道路特定財源を、国民生活にとっての緊急性と優先順位にしたがって、何にでもつかえるようにすること、税金の使い方を根本的にあらためることこそ国民の切実な要求であります。
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