2008年5月14日(水)「しんぶん赤旗」
BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国) 16日初の外相会議
食料・金融改革など議題
【ニューデリー=豊田栄光】インド外務省は十二日、ムカジー外相が十四日から十六日まで、ロシアのエカテリンブルクを訪問すると発表しました。十六日には初のブラジル、ロシア、インド、中国(BRICs)外相会議があり、印中ロ外相会議も開催されます。インド外務省筋によると、「BRICs外相会議は世界の多極化を進める一環」で、主な議題は食料の世界的な高騰や国際金融システムの改革となる見通しです。
ブッシュ米大統領は最近、“インドの中間所得層は三億五千万人。米国の人口より多い。彼らはより良い食事を求め、食料は高騰する”との発言をしました。この発言について、インドでは「ブッシュ氏は経済の知識がない」(閣外商工相)、「インドは食料輸入国ではなく輸出国だ」(財界団体)といった反発の声がわきあがりました。今回の外相会議では、食料高騰に関してBRICsが発展途上国の立場にたった声明を出すことへの期待も出ています。
BRICs四カ国がかかわる定期的な対話の枠組みとしては「印中ロ」と「印・ブラジル・南アフリカ」(IBSA)があります。IBSAは、国際通貨基金(IMF)が米国有利に運営されている点を批判し、新興国の世界経済における役割にふさわしい改革を要求しています。
昨年六月、ドイツでの主要国首脳会議(G8サミット)に招待されたブラジルは先進国主導の世界政治・経済のあり方に不満を持ち、中国、インド、南ア、メキシコを加えたG5首脳会議を提案しました。
石油や鉱物などの資源を使い経済成長するロシアとブラジル、製造業とIT(情報技術)などサービス産業の発展で新興国となった中国とインド。各国の特徴の相互活用で、BRICsの世界経済への影響力増大が予測されています。