2008年5月14日(水)「しんぶん赤旗」
米産乳製品検査なし
牛ヨーネ病対策 規制強化求める
紙議員
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食品衛生法にもとづいて、ヨーネ病に感染した牛からの乳製品の流通が禁止されている問題で、米国からの輸入乳製品がなんの規制もされていないことが十三日の参院農水委員会で明らかになりました。日本共産党の紙智子参院議員がとりあげ、十分な検査が行われていない米国からの輸入乳製品にも国内同様の規制を求めました。
厚生労働省の藤崎清道食品安全部長は、牛のヨーネ病と人の難病「クローン病」(慢性下痢症)の関連が指摘されているため、「人への影響が懸念されるので、流通を禁止している」と答弁。政府としてヨーネ病とクローン病の関連について初めて言及しました。
しかし、米国でヨーネ病を発病後の牛の乳製品は食用に回っていないとして、現時点で検査とリスク評価は行わないと答弁しました。紙議員が「国内だけ(流通)規制するのは不公平だ」と迫ったのにたいし、「新しい知見を踏まえ、必要があれば、(食品安全委員会によるリスク評価や輸入規制について)選択肢に入ってくる」「不公平にならないよう当該国のリスクを判断して対応したい」と答えました。
ヨーネ病 慢性下痢症をおこし死にいたる牛など家畜の病気。病原菌「ヨーネ菌」は、結核菌の仲間で、人の難病「クローン病」との関連が疑われています。