2008年5月15日(木)「しんぶん赤旗」
NTTが偽装請負
京都 雇い止めの青年提訴
NTT(日本電信電話株式会社)の研究所で働いていた京都府の二十歳代の青年が十四日、偽装請負ののちに就業が拒まれたのは不当だとして、NTTなどを相手取り、雇用契約の有効性の確認や賃金の支払いなどを求めて京都地裁に提訴しました。
訴状などによると青年は、NTTから三次下請けとして業務委託を受けた会社の社員として、NTTのコミュニケーション科学基礎研究所(京都府精華町)で二〇〇六年十一月から翻訳ソフト開発の関連業務に従事。しかし、NTTの職員が、採用時に青年の英語力を試し、勤務開始後も直接、青年に業務を指示するなどの違法な偽装請負が横行していました。
NTTは今年二月、偽装請負の発覚を恐れ、業務を委託していたNTTの子会社との請負契約を終了させると通告しました。青年は就業の継続を求めてきましたが、NTT側は、直接の指揮命令を出してきたことなどを認めながらも三月二十八日からは就業を拒否し、賃金も払っていません。
記者会見で中村和雄弁護士らは、NTT東、西などの持ち株会社であるNTTが運営する研究所内での偽装請負だと指摘した上で、「契約形態は知らない」と逃げるNTTを強く批判しました。
会見で青年は「偽装請負を隠ぺいしようとしていたのが残念。私のような人が出ないために提訴した」と語りました。
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