2008年5月15日(木)「しんぶん赤旗」
築地移転見直し迫る
衆院委で笠井議員 汚染深刻 国が対処を
日本共産党の笠井亮議員は十四日の衆院外務委員会で、東京・築地市場の移転予定地(江東区豊洲)から環境基準をはるかに上回る有害物質が検出された問題をとりあげました。
今月に入り、都の調査でも、予定地の土壌から環境基準の四万三千倍、地下水から一万倍ものベンゼン(発がん性物質)が検出されたと報じられています。
笠井氏の追及に対し、農水省の平尾豊徳・総合食料局次長は、報道について都に確認したとし、事実であることを認め、「調査結果が基準値を超えているのは重大」だと述べました。環境省の白石順一審議官も「健康影響上問題がある水準」と指摘しました。
笠井氏は、中央卸売市場の整備・開設は農水相の所管であり、地方自治体の判断だけでは開設できないと強調。築地移転は、国の「第八次中央卸売市場整備計画」で決められたとし、「国の直接の責任が問われている。責任をもって対処すべきだ」と求めました。
都の専門家会議を待って対応すると繰り返した平尾氏に対し、笠井氏は、汚染が明らかになって以降も都の担当部長は「(計画を)見直す考えは全くない」と強弁していると指摘。「新たにこれだけ深刻な問題が明らかになった以上、それに正面から向き合うべきだ」と述べ、白紙に戻し再検討するよう迫りました。
平尾氏は、「(市場開設の)認可の基準に合わなければ、認可するかどうかということはあり得る」と述べました。