2008年5月16日(金)「しんぶん赤旗」
規制緩和で事故多発
高圧ガス災害で山下議員
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政府提出の消防法改正案が十五日、参院総務委員会で全会一致で可決されました。同改正案は大地震に備えて消防・防災体制を強化するというもの。参院先議の同案は本会議での可決後、衆院に送られます。
採決に先立ち、日本共産党の山下芳生議員は、石油コンビナートでの事故と高圧ガス保安法について質問しました。
同法は、一九九六年の改定で認定事業所の自主検査と検査周期が延長されました。これ以後、高圧ガス災害事故は九七年の八十九件から二〇〇七年の二百八十三件へと三倍以上に増えています。
山下氏がこうした事故は避けられなかったのか、と質問。厚生労働省の鶴田憲一安全衛生部長は、厚労省の調査報告書に「(事故の)大部分は過去の経験・知見の集積により経年損傷の防止及び管理を適切に行えば防ぐことができた」と書かれていることを示しました。
山下氏は、同報告書には、自主検査をしている設備で事故が発生し、公的検査をしている設備では事故が発生していないと記されていると指摘。「危険物が集中する大規模施設では自主検査ではなく、公的検査を復活・強化すべき」と迫りました。
新藤義孝経済産業副大臣は「検査の方法が緩和されたのであって基準は緩和されていない」などと答弁。山下氏は「消防体制を強化しても、規制緩和されたままでは事故が増える」と批判し、関係省庁の対策を提起すべきだと求めました。
増田寛也総務相は「省庁間で緊密に連携を取りたい」と答弁しました。