2008年5月16日(金)「しんぶん赤旗」
中低所得者を減税へ
食料・燃料値上がり考慮
英 国
【ロンドン=岡崎衆史】ダーリング英財務相は下院で十三日、食料や燃料値上がりなどの経済事情を考慮し、中低所得者層を対象に所得税の追加控除を行うと発表しました。
発表によると、年収四万八百三十五ポンド(約八百三十万円)以下の約二千二百万人が、年内に百二十ポンド(約二万四千円)の減税となります。減税分は、新たな借り入れでまかなう方針です。
また、税率10%の最低課税帯を政府が昨年廃止したことによって損失を受けた五百三十万の低所得世帯のうち、四百二十万世帯は損失分よりも多くを受け取ることになります。残りの百十万世帯については、損失分が少なくとも半減します。さらに、新たに六万人が税の支払いを完全に免除されます。
英国家統計局は十三日、四月の消費者物価指数(CPI)が前月から0・5ポイント上がり、過去十三カ月で最高の3%に達したと発表。物価高、インフレへの懸念が高まっていました。
最低課税帯の廃止で低所得者が損失を受けることについては、特に労働党内から反発が相次ぎ、今月一日の地方選挙で労働党が大敗した要因の一つにも挙げられていました。