2008年5月20日(火)「しんぶん赤旗」

税制協議 自民の民主への呼びかけ

“大変危険な方向性”

市田氏が批判


写真

(写真)記者会見する市田忠義書記局長=19日、国会内

 日本共産党の市田忠義書記局長は十九日、国会内で記者会見し、自民党の伊吹文明幹事長が民主党に消費税増税に向けた税制協議を呼びかけた問題について問われ、「大変危険な方向性だ」と批判しました。

 伊吹氏は十八日のNHK番組で、討論した民主党の鳩山由紀夫幹事長に対し、後期高齢者医療制度に関連して、「長寿世代の保険料が将来、膨大になる可能性がある。(保険料率アップに)耐えられないとなると、税の議論になってくる」と述べ、協議を提案しました。

 鳩山氏は「消費税の議論がすぐできるとは思えない」としつつも、「消費税は将来、上げざるを得ないタイミングが必ず来る」と述べました。

 市田氏は、民主党は、党の正式な方針である税制改革大綱(昨年十二月)で、将来の方向性として消費税増税の方針を打ち出していることを強調。「自民党も民主党も、消費税増税という方向性では一致している。私たちは、基本路線では(自民党と民主党は)同質・同類の党と呼んできたが、はしなくも、それが昨日の討論であらわれた」と指摘しました。

 そのうえで市田氏は、後期高齢者医療制度を廃止した場合の財源問題に関する党の基本的立場について言及しました。

 日本共産党は、後期高齢者医療制度について廃止の一点での国民的共同を呼びかけたアピール(八日)で、国民すべてが安心できる医療制度をどうつくるかについて財源問題もふくめて、国民的討論で合意をつくることを呼びかけています。

 このなかで、▽窓口負担の引き下げ▽保険医療の拡充▽減らし続けた医療への国庫負担を計画的に元にもどす―ことを提案。これによって、病気の早期発見、早期治療をすすめ、結果として医療費の膨張をおさえ、医療保険財政の立て直しと保険料の負担軽減に道を開くことも示しています。

 市田氏は、大企業・高額所得者優遇税制や軍事費にメスを入れるべきであり、「わが党は消費税の増税には反対だ。(消費税は)福祉にもっとも反する不公平な税制だ」と批判しました。



■関連キーワード

もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp