2008年5月21日(水)「しんぶん赤旗」

コメ「義務」的輸入見直せ

参院委で紙議員 世界の食料危機に拍車


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(写真)質問する紙智子議員=20日、参院農林水産委

 日本共産党の紙智子議員は二十日、参院農林水産委員会で、各国で米不足が深刻化するなか、日本の米輸入が世界的な価格高騰に拍車をかける危険性を取り上げ、輸入見直しを求めました。

 日本は、WTO(世界貿易機関)協定のミニマムアクセス(最低輸入機会)に基づき、一九九五年度から外国産米を輸入しています。しかし、二〇〇七年度第十回の輸入米入札では、予定数量六万二千五百トンのうち四万一千五百トンは入札すらなく、残りも不落札でした。

 紙氏は、「日本に米を売る国がなく、あっても価格が高すぎて買えなかったのではないか」と指摘。若林正俊農水相は、「アジア(の米価)が二、三倍に高騰しているため応札がなかった」と認めました。

 紙氏は、アメリカではスーパーなどで米販売が制限され、フィリピンでも庶民が米を入手できない事態になっているとし、「日本が無理に輸入を続ければ、さらなる価格高騰を招くことになる」と迫りました。

 若林農水相は、日本の米輸入が価格高騰につながることを認め、「国際的な米需給に悪影響を与えないよう留意しなければならない」と答弁。一方で、輸入はWTO協定上の義務だとし、継続する姿勢を示しました。

 紙氏は、ミニマムアクセスは輸入機会の提供にすぎず義務ではないと反論。根拠のない「義務的輸入」に十一年間で二千六百億円もの税金を投入してきたと批判し、「共産党は『農業再生プラン』で義務的輸入の中止を求めている。検討すべきだ」と求めました。


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