2008年5月22日(木)「しんぶん赤旗」
公務員基本法
狙いは「官民癒着」
塩川議員 人事交流緩和を批判
日本共産党の塩川鉄也議員は二十一日の内閣委員会で、国家公務員制度改革基本法案について、狙いは「官民癒着」をしやすくすることにあるとのべ、政府の姿勢を追及しました。
民間企業と中央省庁の人事交流についてはすでに官民交流法があり、癒着を防ぐための厳しい制限があります。塩川氏が交流制限の扱いをただしたのに対し、渡辺喜美公務員制度改革担当相は「検討の対象になる」と答弁し、緩和を示唆しました。
塩川氏は官民癒着の具体例として、規制改革推進室(内閣府)について質問。同推進室三十一人中十八人をしめる民間出身者は、非常勤職員として派遣され、任期終了後は元の企業に戻ります。
塩川氏は同推進室への派遣が、規制の厳しい官民交流法を用いずに行われていることを示すとともに、民間出身者の給与が課長補佐相当のポストで年間二百万円程度と低額であるとして、「出身企業が差額を補てんしているのではないか」とただしました。小島愛之助規制改革推進室長は「具体的な事例は承知しない」とのべるだけで否定しませんでした。
塩川氏が「『手弁当』で社員を派遣している民間企業のメリットはなにか」とたたみかけたのに対し、渡辺担当相は「民間では経験できないことが体験できるからではないか」と答弁。塩川氏は「メリットは官でしか得られない情報が、元の企業で新たなビジネスの創出につながることではないか。交流制限の緩和は癒着を堂々と行うためのものだ」と批判しました。