2008年5月22日(木)「しんぶん赤旗」
中南米の貧困拡大警告
国連委 食料価格高騰を懸念
【メキシコ市=島田峰隆】国連中南米カリブ経済委員会(ECLAC)は二十日、ラテンアメリカ地域の国民の健康状況に関する報告書を発表しました。報告書は、世界的な食料価格高騰が今後も続くならば、同地域の極貧と貧困の率はさらに上昇すると警告しました。
それによると、食料価格が15%上がり、収入が増えなかった場合、極貧層の割合は2・9ポイント増えて15・6%に、貧困層の割合は2・8ポイント増の37・9%になるといいます。収入が5%増えた場合でも、それぞれ2ポイント、1・9ポイント増の見込みです。
コスタリカのサンホセで記者会見したECLACのマチネア事務局長は、対策として、農業生産への支援、最も困難な農業部門への補助金増額などを提案しました。
国連開発計画(UNDP)のラテンアメリカ地域責任者は、「最近の五年間にラテンアメリカ地域が勝ち取ってきた成果を失いかねない事態だ。社会的支出を減らすのではなく、増やさなければならない」と強調。恒常的な栄養不良や子どもの高死亡率への対策の充実、教育予算を増やすことが大切だと語りました。