2008年5月23日(金)「しんぶん赤旗」
久間元防衛相の圧力感じた
軍事利権疑惑 宮崎被告が証言
秋山氏に山田洋行巨額資金
参院委証人喚問 井上議員が質問
防衛省汚職事件で贈賄罪などに問われている軍需専門商社「山田洋行」元専務の宮崎元伸被告(69)の証人喚問が二十二日、参院外交防衛委員会で行われました。宮崎被告は、久間章生元防衛相(自民党)の軍需商戦への関与で圧力を感じていたと証言。軍需企業と政界のパイプ役とされる「日米平和・文化交流協会」の秋山直紀常勤理事に山田洋行が巨額の資金を提供していたことも認めました。
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日本共産党の井上哲士議員の質問に宮崎被告は、一昨年の赤坂の料亭「さくま」での宴席で「久間先生から『山田親子(山田洋行創業者の親子)があいさつにきた。非常にいい親子ではないか』と話があった」ことなどを証言。「私に対するプレッシャーかと思った記憶は残っている」と述べました。
宮崎被告は当時、山田洋行から独立し、新会社「日本ミライズ」を設立した直後。防衛庁(当時)が進める次期輸送機(CX)のエンジン調達をめぐり、米ゼネラル・エレクトリック(GE)社の代理店となるために、山田洋行と争っていた最中でした。
代理店は日本ミライズに移りましたが、その後の久間氏の関与について同被告は、民主党議員の質問に「GEの日本支社と直接契約できないかという指示が(久間防衛)大臣から(同省航空機課長に)あったと聞いた」と明らかにしました。
井上氏の質問に宮崎被告は、山田洋行側が米国企業の日本支社などに対して「久間先生に後見人になっていただいた」「先生方なんて金を出せばどうにでもなる」と発言していたことが、「私の耳に入った」とも証言。山田洋行と久間氏の一体ぶりが浮き彫りになりました。
また宮崎被告は、民主党議員の質問に、自民党の額賀福志郎衆院議員(現財務相)と前防衛事務次官の守屋武昌被告らが出席した宴席が「一度記憶がある」と述べ、新たな宴席も明らかになりました。
宮崎被告は、秋山氏が関係する米国法人に対し、「コンサルタント料として年間十万ドルずつ払ったと思う」と証言。旧防衛庁が発注した福岡・苅田港の毒ガス処理弾事業について「(秋山氏に)現地対策費として一億円を出している」と認めました。
同委員会では、証人喚問での報道機関による撮影・録音について採決し、野党の賛成で許可を決めました。与党側は撮影に反対し、同委員会を冒頭から欠席。全会一致で決めた証人喚問の欠席は極めて異例です。