2008年5月23日(金)「しんぶん赤旗」

日本共産党国会議員の質問


労働基本権保障は当然

公務員制度改革で参考人

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(写真)参考人に質問する塩川鉄也議員=22日、衆院内閣委

 衆院内閣委員会は二十二日、国家公務員制度改革基本法案に関する参考人質疑を行い、作家の堺屋太一氏、弁護士の加藤健次氏ら四人が意見陳述しました。

 加藤氏は自らが体験した国家公務員の労働裁判を紹介しながら、公務員にたいする労働基本権の回復が必要だと述べたうえで、「議論は公務員の実態や声、国民の行政に対する要望を踏まえて進めてほしい」と話しました。

 堺屋氏は、法案の作成に携わってきた立場から問題意識を述べ「官僚への国民の信頼を取り戻すための改革」と表明。民間シンクタンク、構想日本の加藤秀樹代表は「政治主導ができる強い内閣が必要。そのための公務員制度改革」と指摘しました。拓殖大学の田中一昭名誉教授は今回の法案について「改革の全体像をみすえながら、実現可能なところからやっていくというもの」と述べました。

 日本共産党の塩川鉄也議員は「法案には官僚と議員の接触規制が書かれているが、政官の癒着には与党議員にも責任があるのではないか」と質問。堺屋氏は、「官僚と親しくして、影響を受けやすい議員が与党にいるのは確か」と政官癒着における与党の責任に言及しました。また公務員への労働協約権の付与については四人の参考人すべてが前向きの見解を表明しました。

適用実態の把握・検証を

租税特別措置法で大門議員

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(写真)質問する大門実紀史議員=22日、参院財政金融委

 日本共産党の大門実紀史議員は二十二日の参院財政金融委員会で、民主党が提案している「租特適用実態調査・検証法案」について、「基本的に賛成できる」との考えを示しました。

 同法案は、国税にかんする特例を定めた租税特別措置法の適用実態の把握と検証を目的とするものです。租税特別措置には、法人税率の引き下げなど企業への優遇税制がありますが、その効果や実態は明確にされてきませんでした。法案では、実態調査の結果を国会に報告することが義務付けられます。

 大門氏は、「『特別措置』といいながら、五十年以上、継続している措置も三つある。政府は『不断の見直し』などと強調しているが、なぜ半世紀以上も続く措置があるのか」と政府の姿勢をただしました。

 遠藤乙彦財務副大臣は、「政策目的上、必要と判断されれば当然、残る」と答弁しました。

 大門氏は、「本当に必要な措置なら、本則に入れるのが筋だ」と述べ、全体の見直しを行う必要性を強調しました。

 額賀福志郎財務相は、「時代の変遷に応じて(特別措置を)きちんと見直していくという意味では、極めて同調する」などと答弁しました。

再建計画見直し必要

夕張市財政破たんで紙議員

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(写真)質問する紙智子議員=21日、参院決算委

 日本共産党の紙智子議員は二十一日の参院決算委員会で、財政破たんした夕張市の再建計画は前提が崩れているとして、「現実的で希望の見える再建計画に組み替えを」と迫りました。

 夕張市では二〇〇六年に財政破たんを表明して以降、千五百人以上の人口が流出しています。人口減少は再建計画の予測の倍のペースです。

 紙氏は、その影響で、〇七年度の税収見込み十一億円に対し八千百万円の不足をはじめ、地方交付税減額など少なくない歳入不足が生じていると指摘。「このまま流出が続けばさらなる税収不足、地方交付税の減で、計画の大幅見直しが必要になる」と強調しました。

 増田寛也総務相は、「予想されなかった事象が生じた場合は変更もあり得る」と答弁。

 紙氏はまた、流出を食い止める対策が必要だとし、小・中学校の統廃合計画の見直しや、市立病院の廃止で行われなくなった夜間・救急医療、人工透析を条件が整えば再開できるよう求めました。東京二十三区より広い夕張市での小・中各一校化には他党議員から驚きの声があがりました。

 増田総務相は、再建計画は夕張市が決めたことだとしたうえで、「別の提案がくれば、よく聞いて対応したい」と述べました。

 紙氏は、十八年で三百五十三億円を返済するという再建計画に対し、夕張市長が「十年で百億円が限界」と発言していることも示し、重ねて計画の見直しを求めました。

二律背反、浮き彫り

地域力再生機構法案を質疑

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(写真)質問する吉井英勝議員=22日、衆院内閣委

 赤字の第三セクターなどの破たん処理を税金で肩代わりする「地域力再生機構法案」について二十二日、衆院内閣委員会で参考人質疑が行われました。

 同法案は、国や都道府県、金融機関が出資して株式会社「地域力再生機構」を設立し、第三セクターの債権買い取りや出資業務を通して、事業の「再生」を支援するというもの。

 意見陳述した宮崎大学教育文化学部の入谷貴夫教授は、第三セクターの事業について、出資責任や債権者平等の原則を超えて自治体が必要以上に責任を負わされる事例が相次いでいると述べ、住民と議会による監視の必要性を強調しました。

 また、「地域力再生機構」について、「再生」支援の対象を安易に拡大すれば、損失が発生して国民負担が必要となり、厳格に対象を絞りこめば、地域のニーズに応えられない二律背反があると指摘。地域経済全体を浮揚させる可能性も低いと述べました。

 日本共産党の吉井英勝議員は、第三セクターの破たん原因について質問。入谷教授は宮崎県のフェニックスリゾート破たんの例もあげ、第三セクター破たんの原因は「無計画性に尽きる」と説明しました。

訪問看護・介護の車両

駐車禁止除外の対象へ

小池議員に厚労相答弁

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 舛添要一厚生労働相は二十日、訪問看護・訪問医療に使用される車両に関しては、駐車禁止違反で取り締まりを受けることのないよう国家公安委員長に申し入れることを表明しました。同日の参院厚労委員会で日本共産党の小池晃議員(写真)の質問に答えたものです。

 二〇〇六年に違法駐車の取り締まりが強化され、訪問看護・介護の現場で混乱が起こっています。全国訪問看護協会の調査では〇七年九月以降、規制強化によって千六百三十七事業所のうち、百九十事業所で駐車許可対象車両の取り消し、百二十六事業所で駐車違反の摘発を受けています。

 小池氏は、「在宅医療・訪問介護に従事する人たちが、駐車禁止で取り締まりを受けることに不安を感じながら仕事をしなければならないのは問題だ」と指摘。事前に所管の警察署から駐車許可を受ける場合でも、訪問対象のすべての住所と地図の提出が求められるなど手続きが煩雑であることをあげ、「医療・介護の主務大臣として、警察庁に道交法上の配慮を求めるべきだ」と主張しました。

 舛添厚労相は「訪問介護とか医療を行う介護福祉士、看護師に(駐車禁止除外)が認められないのはおかしい」と述べました。


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