2008年5月24日(土)「しんぶん赤旗」

温室効果ガスとは何ですか?


 〈問い〉 温室効果ガスとは何ですか? 二酸化炭素(CO2)以外にもあるのですか? 温室効果とは、どういうものですか?(茨城・一読者)

 〈答え〉 地球の表面は、太陽から降り注ぐ光のエネルギーで暖められます。暖められた地球は、宇宙空間に赤外線を放射して熱を逃がします。地球が放射する赤外線エネルギーの量が、太陽からのエネルギーと等しくつりあうことで、地球表面の平均温度がほぼ一定に保たれます。

 IPCC(気候変動に関する政府間パネル)がまとめた報告書によると、地球にまったく大気がなければ、地球の表面の平均温度はマイナス19度になってしまうと推定されています。

 地球には大気の層があるため、地球表面から放射された赤外線を大気中の一部の気体が吸収して暖まり、その熱によって、地球表面の平均温度が約14度に保たれています。この現象が「温室効果」で、温室効果をもたらす気体が「温室効果ガス」です。

 現在、地球温暖化との関係で問題になっているのは、人間活動によって増えている温室効果ガスです。

 水蒸気は、大気中で最も量が多く重要な温室効果ガスですが、大気中濃度への人間活動による直接的影響はわずかです。

 京都議定書で排出削減対象とされている温室効果ガスは、二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、フロン類(ハイドロフルオロカーボン類、パーフルオロカーボン類、六フッ化硫黄)の計6種類。温室効果の程度は、種類ごとに異なりますが、多くの場合、最も影響の大きい二酸化炭素の排出量に換算されます。

 人間活動による二酸化炭素排出のおもな原因は、石油や石炭などの化石燃料の燃焼、森林伐採などの土地利用の変化です。メタンは、家畜の排せつ、稲作、ごみ埋め立てなどで発生。一酸化二窒素は、窒素肥料の使用や工業活動で発生します。フロン類は、洗浄剤、エアコンなどの冷媒、発泡剤などに使用される人工物質で、自然界には存在しません。

 気温上昇を産業革命前の2度以内に抑えて地球温暖化の被害を少なくするには、世界の温室効果ガス排出量を1990年水準の半分以下に減らすことが必要だとされています。日本共産党は、日本が率先して、温室効果ガス排出量を、2020年までに30%、50年には70%以上削減することを目標に掲げています。(秀)

 〔2008・5・24(土)〕


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