2008年5月25日(日)「しんぶん赤旗」
シベリア抑留
犠牲者のカルテ周知へ
紙議員に厚労省答弁
厚生労働省の荒井和夫審議官は二十三日の参院沖縄・北方特別委員会で、戦後、シベリアに抑留され、亡くなった犠牲者のカルテの有無について、遺族に周知する方向で検討する考えを示しました。日本共産党の紙智子議員の質問に答えたものです。
ロシア側からは、すでに約四万一千人分の死亡者名簿が日本側に渡されています。このうち、一九九三年以降、死因、死亡場所などの個人資料が提供され、人物が特定できるカルテは約一万五千人分あるとされています。ところが、ほとんどの遺族に、その存在が知らされていません。
紙氏は、カルテの存在をたまたま知り、厚労省から受け取ったのが、わずか十数人だと指摘。シベリアで亡くなった兄の情報を探り続け、カルテにたどりついた遺族の、“情報を可能な限り知らせてほしい”という声を示し、是正を求めました。
荒井審議官は、カルテの有無を含めて、「(厚労省が)持っているデータについてホームページ、関係団体へのお知らせなどに掲載し、ご遺族には個別に情報をお知らせすることを検討していく」と答弁しました。