2008年5月29日(木)「しんぶん赤旗」
児童相談所の体制強化を
虐待死増加 高橋議員が要求
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日本共産党の高橋千鶴子議員は二十八日の衆院厚生労働委員会で、虐待による児童の死亡事例が増加している問題について、「児童福祉司、児童心理司の拡充など、児童相談所の体制を強化することが不可欠だ」と強調しました。
虐待による児童の死亡事例は判明しているだけで二〇〇六年に百例、百二十六人に及んでいます。このうち児童相談所が関与した事例は二割、うち四割が虐待を認識していたとあります。
高橋氏は、虐待による死亡を防ぐため、児童相談所の対応を検証するとともに、「虐待を行った親に対する指導が必要だ」と指摘。虐待にいたるケースとして母子手帳の未発行や妊婦検診の未受診など妊娠期に問題を抱えた事例も増えており、妊婦への支援の必要性も指摘されていることをあげ、「どのように必要な妊婦を把握するのか」と質問しました。
厚労省の大谷泰夫雇用均等・児童家庭局長は「健康診断や保健指導など母子保健活動全般を通じ、支援の必要な妊婦の把握につとめたい」と答弁。今年三月に体制整備をはかるよう通知を出したことを明らかにしました。
高橋氏は、顕在化しにくい虐待を把握し、対策を取るためには児童相談所の体制強化が最も大切になると強調。舛添要一厚労相は「体制強化をする必要がある」として、「高橋委員の指摘を受け、児童の安全確保に積極的に取り組むよう強い指示をだす」と述べました。