2008年5月29日(木)「しんぶん赤旗」
妊婦健診に公費負担の壁
「無料2回だけ」7割
平均12回受診するのに
新婦人調査
新日本婦人の会は二十八日、「妊婦健診受診に関するアンケート」結果を発表しました。
妊婦健診の受診回数は一人目のときの平均が十二・三回、二人目のときの平均が十・九回。健診によって三割の人に逆子や貧血、切迫早産などの異常がみつかっています。
受診にかかった費用総額は平均十四万七千百十円にのぼり、改めて費用負担の重さが浮き彫りになりました。
住んでいる自治体の妊婦健診の無料回数をたずねると、二回が最も多く68・6%。次いで一回が7・9%、五回が7・5%、三回が7・4%と続きました。厚労省が昨年出した通知の内容「公費負担は十四回程度が望ましい。少なくとも五回程度の公費負担を実施すること」と大きな差があります。自治体によっても公費負担の回数に大きな格差がみられました。
妊婦健診を「受診しなかったことがある」と答えた人が8・4%いました。理由(複数回答)をたずねると、「経済的に大変」が57・3%、「上の子の保育体制がとれないため」が25%、「仕事の都合」16・1%、「病院が遠いため」10・9%などでした。
調査は二〇〇八年三―四月に実施。全都道府県の新婦人会員と知人など二千二百八十人が回答しました。
岡田麻也子新婦人子どもと教育部長は、アンケートに「健診費用を安くしてほしい」との声が多数寄せられたことを紹介。「安全な妊娠・出産のために、当面、妊婦健診十四回の公費負担をめざし、さらに国の責任で無料とするよう運動をすすめていきたい」とのべました。
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