2008年6月1日(日)「しんぶん赤旗」
イラクで数万人がデモ
駐留米軍地位協定に反対
【カイロ=松本眞志】「不幸な協定はイラクをずたずたに引き裂き、占領権力に分け与えるもの」「協定はイラクの主権を(占領者に)屈服させることをねらっている」
イラクの首都バグダッドなどでは五月三十日、数万人の人々が街頭にくり出し、駐イラク米軍の地位協定締結に反対するスローガンを口々に叫びました。カタール衛星テレビ・アルジャジーラによると、デモはイスラム教シーア派組織サドル師派が呼びかけたもの。同地位協定は今年七月末に締結が予定され、国連の権限下で今年十二月末に期限切れとなる米軍のそれ以降のイラク駐留に法的枠組みを与えるものとみられます。
サドル師派の最高指導者ムクタダ・サドル師らは、地位協定締結交渉を「国民を侮辱する計画」「国民の利益に反する」としてマリキ政権を批判。この日の抗議行動を呼びかけていました。
サドル師派と対立している与党イラク・イスラム最高評議会(SIIC)の指導者アブドルアジズ・ハキム氏も地位協定を「イラクの主権を侵害するものだ」と非難しました。シーア派最高指導者シスタニ師も「自分の存命中の調印は認めない」と断言しています。
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