2008年6月4日(水)「しんぶん赤旗」

原爆症認定

基準、実態に即して

被団協・原告ら 志位委員長に要請


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(写真)原爆症認定集団訴訟原告の木村民子さん(右)らを激励する志位和夫委員長=3日、衆院第一議員会館

 日本共産党の志位和夫委員長は三日、国会内で、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)と原爆症認定集団訴訟全国原告団・弁護団から、原爆症認定訴訟の早期解決にむけての協力要請を受けました。

 同訴訟ではこの間、六地裁で原告側が国に勝訴。厚生労働省は、従来の認定基準を改め、四月から「新しい審査の方針」を実施しましたが、新基準のもとでも多くの被爆者が原爆症に認定されずにいます。その中で五月末、仙台、大阪両高裁で、新基準の枠を超えた疾病を原爆症と認める判決が出されました。

 要請で、日本被団協の田中熙巳事務局長は(1)両高裁判決に従って国が上告を断念する(2)全国の同集団訴訟を全面解決する(3)「新しい審査の方針」を原爆被害の実態に即したものに再改定する―の三点を国に働きかけてほしいと語りました。

 志位氏は「三点について全面的に賛成です。完全な解決にいたるまでともに力を尽くすことをお約束します」と表明しました。とくに原告団の中からも亡くなる方が相次ぐ状況のもとで「裁判を引きのばすことは、国として絶対にやってはならない」と強調しました。

 そのうえで、大阪高裁判決が放射線の影響を否定できなければ認定すべきだとしたことにふれ、「これまで国は原爆症の認定基準を狭くしたうえで、被爆者の方に原爆症の立証責任を負わせてきましたが、その論理が、この高裁判決で否定され、国に立証責任を負わせたもので画期的です。審査の基準を原爆被害の実態に即したものにするには従来の考え方の根本的転換が必要になります。それを強く求めていきましょう」と述べました。

 弁護士らは、三百五人の原告のうち四十九人がすでに亡くなったことや高裁判決の画期的意義を強調。近畿原告団団長代行の木村民子さんは「亡くなった方の苦しんでいた姿が忘れられません。全員が認められるように私ももっと頑張っていきたい。力添えをお願いします」と述べました。

 高橋千鶴子、笠井亮両衆院議員が同席し、決意を述べました。


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