2008年6月4日(水)「しんぶん赤旗」
NHK職員インサイダー取引
執行部は自ら総括を
塩川議員
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日本共産党の塩川鉄也議員は三日、衆院総務委員会のNHK決算(二〇〇五年度、〇六年度)審議で、NHK職員によるインサイダー株取引の問題を取り上げました。
塩川議員は、「第三者委員会」の調査報告書が、記者が取材で得た情報によって私的利益を得たことは国民に対する背信行為で、「NHKの存在意義が問われる」と指摘していることについて、NHK執行部の認識をただしました。
福地茂雄会長は「今回の事件は、組織や体質にまで及ぶ構造的な問題をはらんでいる」などと答弁しました。
塩川議員は、執行部自らが事件の総括や自己分析を国民に発信してこなかったことに触れ、「総括が人任せでは(再発防止策の)実効が伴わない」と指摘しました。ETV番組改変の問題もあげ、「権力と対峙(たいじ)する姿勢が執行部からうかがえないことが、記者の倫理観の劣化をもたらしているのではないか」と追及しました。
福地会長は「総括は検証番組で発信する」「不偏・不党を自覚している」と語りました。
質疑の後、〇五・〇六年度NHK決算が賛成多数で可決されました。日本共産党は反対しました。塩川議員は「〇五年度の予算は、ETV番組への政治介入で大幅に受信料の落ち込みが予想されたが、それを反映しない予算案に固執し、見込みより四百五十四億円も落ちこむ事態になった」と指摘しました。