2008年6月5日(木)「しんぶん赤旗」
ポスドクの環境安定を
研究開発力強化法 石井議員ただす
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参院から送付された研究開発力強化法案が四日、衆院文部科学委員会で日本共産党以外の賛成多数で可決されました。
同法案は自民、公明、民主による議員立法。日本の科学技術の国際競争力を高めることを口実に、国の知的基盤の民間開放を定めるなど、公的機関の研究能力を大企業の国際競争力強化に奉仕させる内容です。日本共産党の石井郁子議員は反対討論で「法案はわが国の研究開発の発展につながるものではない」と表明しました。
石井氏は、採決に先立つ質問で法案に関連して、博士課程を終えても就職先がない研究者で、短期雇用のポストドクター(ポスドク)などの問題を取り上げました。石井氏はポスドクから寄せられた「数年で(大学との研究)契約が終わる。精神的にも経済的にも安定した生活をおくることは不可能」などの悲痛な声を紹介して、問題の解決を求めました。
ポスドクに安定した就職先がない背景には、若手研究者を短期のプロジェクトで活用しながら、任期終了後は雇用しないという産業界の使い捨てともいえる身勝手な態度があります。石井氏は、大企業などへの若手研究者の採用について見解をただしました。
森口泰孝文科省科学技術・学術政策局長は「産業界へ今後とも働きかけていきたい」などと述べました。